【CD】木暮"shake"武彦『ヴィーナスの夜』


えー・・・アンプのレビュー?は、もちっと待ってくれぃ(写真撮る前に組んじゃったから…)。

と言うことで、シャケの新譜『ヴィーナスの夜』・・・聴き込むってところまではいってないけども、シャケちゃんの独り善がりが過ぎるアルバムだなぁ〜、、、って感じ。

独り善がりって言うと聞こえが良くないが、ミュージシャンであると同時にアーティストでもあるわけだから、独り善がりのないアーティストなんて只の商業主義ってやつでしょ?

だから、その独り善がりがイヤなわけでもないが、「痛快」とか「颯爽」っていうのは全く無いね(ぷ)。
シャケの痛快なロックを聴きたいという欲を吹き飛ばすだけの仕上がりにはなってないと思うが、シャケも齢60歳を過ぎて、いつまでも若さ迸るロックっていうわけにもいかないだろうし、これまでの人生で散々やってきたことだし、なんならそーいうのはレッドとかでやればいいわけだから、これはこれで今現在のシャケ個人の音楽でありロックなんだろう。

思うに、シャケのヴォーカルが、、、レッドのセルフカヴァーの時は良かったんだけど、あれは聴く側が曲をよく知ってるっていうのもあるし、それをいろいろとアレンジを変えていたりで、例えば「Wild Cherry」なんかは、あのアレンジだからこそシャケのヴォーカルが活きるといった側面もあったと思うんで、今作において曲によってはゲストヴォーカリストを使った方が良かったんじゃないかなぁって思ったりする。

妖しい・オドロオドロシイ系はシャケのヴォーカルでもいいんだろうけどねー。
個人的に、シャケのヴォーカルを100%受け入れきれてないのが要因なのか、、、。

それでも、今作で一番驚いたのは、ファルセットって言うの?裏声っていうか、シャケのハイトーンなコーラスがさ、超イイ感じじゃね?
まさか、シャケのハイトーンがこんなにもイイなんて思いもせんかったけど、新しいシャケを感じたよね。
案外、高音と低音を両極端にした方が、シャケのヴォーカルが活きるのかも?なんて思ったりした。

肝心のギターも、インストゥルメンタル曲を聴く限り、もっと発展の余地があるような・・・メロディもサウンドもプレイもまだまだ先に行けるんじゃないかなぁ。

一方で、唄モノのギターは、エマちゃんには悪いがやっぱ自分の世界の中ではシャケがナンバーワンだわ。
今作は特に、テクニック的にもキレてるし、聴き応え充分でブッ飛ばされた。

なんかねぇ、今のシャケのギターを聴いてると、個人的Jeff Beck評じゃないけど、シャケってバンドスタイルの方が相性いいような気がする。

ちょっと前に、YouTubeで中野サンプラザかなんかのレッドのライヴ動画を観たんだけど、シャケのギター、、、ボロボロで、「自分の書いた曲なんだからちゃんと弾けよ」なんてコメントに書かれてたりしたくらい、ちょっと酷かったからさ、今作ちょっと心配だったんだけど、確かに近年のライヴ映像を観てると、そのコメントを書き込んだ人の気持ちもわかるくらい、酷いっていうか、アドリヴがつまらんことが結構あったりする。
別に、アルバムと全く同じに弾かれてもアレだけど、いつだったかの「Royal Straight〜」はホントに酷かった。

その辺の危惧を吹っ飛ばすギターでした。

余談だが、インストゥルメンタルのシャケは、Jeff Beckに近いが、ライヴでボロボロになるってのは、ジミー・ペイジ(Led Zeppelin)的でもあるなぁ・・・渋谷陽一だったか、誰だったか忘れたけど、雑誌で「ジミー・ペイジって本当はもっと上手く弾けるんだろうけど、わざとヘタクソに弾いてるよね」って読んだことあるが、願わくばシャケもそーであって欲しいものだ。

これで、シャケがエリック・クラプトン並に唄えれば、一人ヤードバーズ3大ギタリストなんだが(ひ)。

おまけで、今作を聴いていて、内容とか仕上がりとかは全然違うんだけど、その昔に三国さん(キーボードプレーヤ)と2人でやったアルバム『深空』と同じ雰囲気を感じた。
あの時は三国さんがいたから、シャケの独り善がりってわけじゃないけど、不思議と同じ匂いを感じたのが自分でも謎である。

総じて言うと、今作はシャケの独り善がりと言う名の世界が、当然ながらシャケらしさの純度を上げてるな、と。
前述したように、例えばゲストヴォーカリストを入れて、完成度が上がったとしても、出来上がったものを聴くと案外「並」なアルバムにしかならんような気がするし、これこそがシャケをシャケ足らしめている最大の要因なんだろうなと思うのであった。

まあ、ゲストヴォーカルを使うくらいならレッドとかでやれよって話だし、但し、今作を人にオススメ出来るかと聞かれたら・・・無理!

何故なら、今回1周目はヘッドホーン・ヘッドオンで聴いたんだけど「うーん、これはスピーカーで空間に放出しないとダメだな」って思って、2周目はスピーカーで聴いてみたら、やっぱし、スピーカーで聴いた方が断然良くなった。

現代は、みんなさんイヤホンとかで聴くことが多いでしょうからねぇ、しかも真っ昼間にカーステで聴くには「流し聴き」に向いてない作品だと思われ。

なので、シャケ上級者の人にはいいかもしれんが、シャケのコアな世界に不慣れな人には到底オススメ出来ないので悪しからず。

それにしても、相変わらず寸評に困らさせるシャケワールドでした。

何より、このアルバムでアンプのレビューを書くには無理がありすぎた、、、(ぅ)。

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